新潮社
発売日:2007-09
18世紀初めの江戸城。六代将軍家宣の側室・左京の局に仕えるお初は熱心な奉公でお局の寵愛を受け、筆頭奥女中に進み「絵島」の名をもらった。
家宣の死去により、お局の子が七代将軍に即位すると月光院となったお局は側用人・間部との不倫に惑溺。大奥は退廃してゆく。
一方絵島は、人気役者の生島新五郎と恋におちることになる。
江戸時代において大きなスキャンダルとなった絵島生島事件をテーマとする小説の中で、最も有名な作品です。
芝居の世界が大きく関わっているだけに、ここは押さえておかないと!ということで読みました。
上下巻で結構なボリューム、昭和30年代(ちょっと定かではない)に書かれたものではあるけれど、古さを感じさせない作品で、まぁ読みやすいほうだと思います。
戦後、新作歌舞伎として上演された時の原作にもなった作品です。
絵島生島事件については一般に、月光院・間部派と、天英院(六代将軍正室)派の政治抗争による疑獄事件であり、実際は絵島と生島の間に不義密通はなかったのではとされています。
この作品では絵島と生島の間に恋愛関係があったものとして描かれており、政治抗争に巻き込まれた絵島の悲恋の物語となっています。
何もなかったのに処罰されたとなると、あまりにも絵島が可哀想なので、個人的に小説の方を支持したいです。
二人はかなり作為的な罠にかかって(しかもいたって単純な罠)恋に落ちていくし、騙されて借金して泥沼にはまっていく絵島の姿を読んでいてちょっとぐらい疑いもたないのかな?なんて正直思わずにはいられなかったのですが、初めてお城の外に喜びや幸せを見出した絵島を責めることはできないと思うのです。
ただこの小説は、悲恋ではあるけれども悲壮感はただよっていない。
政治色が濃く描かれ、一時代の大河ドラマとしての趣が強い(つまり必ずし恋愛部分がメインとは思えない)せいもありますが、処罰される絵島に潔さが感じられる点もそう思わせるのかもしれません。
それで、読んでいて暗い気持ちにはならない。
大奥のほか、遊郭、また刑罰のことなどかなり詳細に書かれています。
そのためこれ一冊読むと、当時の世の中をざっと知ることが出来ます。
奴遊女の件等々、結構衝撃的な内容も多いです。
下巻の最後の方では関係者のその後などが描かれますが、中でも間部について多く触れられています。間部はなんというか…本当にすごい人だなぁと思いました。いろんな意味で。
政治運営など全部ひっくるめて、当時は本当にツッコミどころが多すぎて、なんて言ったらいいかわかりません。(年齢が一桁の幼将軍というのがそもそもとんでもないことでしょうね)
個人的には芝居の世界での生島と団十郎の意見の対立も捨てがたい。
芝居は町人のものと、お偉いさんに対して媚を売らず、信念を通す団十郎がなかなかかっこいい。
お気に入り度⇒★★★
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カプコン
発売日:2006-07-27
言わずと知れた戦国(イケメン)ブームの火付け役(?)、戦国BASARA。
今更ながら、シリーズ第二段をちまちまプレイ中です。(既に3まで出てますよね)
私あんまりゲームはやらない方なんですが、これはすごい操作が簡単。
戦略云々とかも無いに等しいので、さくさく進むし、結構爽快感があって楽しいです。
女の子の支持が高いのわかる気がする。キャラも個性的だし、何だかんだ言って美形だし。
(好みかどうかは別だけども)
まだ始めたばっかりなので、ストーリーモードの途中で、全部のキャラでプレイしたわけじゃないからあれだけど、今のとこ片倉小十郎が好きです。
あのいぶし銀な感じ!風貌といい、ポジションといい、一歩引いた漢前な感じがすごい好み。
伊達さんよりもそっちが気になってしょうがなく…
今更はまったらどうしようと思ってます(笑
このストレート過ぎるネーミングどうなのよ…と思わずにはいられないね!(笑
世界各国、時代問わずで、昔話をやや艶っぽくアレンジした朗読系ドラマCDシリーズの第6弾。
戦国武将と姫との物語です。
ネーミングがかなり強烈な割には、内容はそれほどでもありませんので、ご安心を(?)。
ま、子供向けではないけどね。
このCDの売りはダミーヘッドマイクという、耳元で台詞を囁いているかのような臨場感ある音響機器で収録されていること(一部です)。
これがなかなか面白い。
以下、感想。
世界各国、時代問わずで、昔話をやや艶っぽくアレンジした朗読系ドラマCDシリーズの第6弾。
戦国武将と姫との物語です。
ネーミングがかなり強烈な割には、内容はそれほどでもありませんので、ご安心を(?)。
ま、子供向けではないけどね。
このCDの売りはダミーヘッドマイクという、耳元で台詞を囁いているかのような臨場感ある音響機器で収録されていること(一部です)。
これがなかなか面白い。
以下、感想。
角川グループパブリッシング
発売日:2008-11-22
世間と隔絶された城の中で育った豊臣秀頼の滅亡の時までに過ごした日々を描く表題作を中心に、様々な時代の時代小説を収録した短編集。
この作者の作品を読んだことはないのですが、SFで有名な人とのこと。
でもかなり時代小説も面白いですよ!
口語で現代的な言葉を時折挟んだりするので、非常に読みやすく、時代小説が苦手な方にもお勧めです。
話も5作品とも個性的で、バリエーション豊富。全体にレベルの高い佳作です。
久々にこれはいい!と思える本に出会った気がします。
以下、各短編について。
『城のなかの人』
文字通り城の中で美しいものに囲まれて育った秀頼の悲劇を描く。
最も長い話ですが、表題作だけあるなという作品。今「葵 徳川三代」という大河ドラマにハマって観ているのですが、そのせいもあってかなり面白かった!
ここでの秀頼は(特に物語前半)は、全然世間のことを知らず、自分に関係することでもまるで他人事のよう。自分でしたことはほぼ一つとしてなく、周囲のいう事や整えたことにただ流されるばかり。
生まれた時からそうならざるを得ないような運命を背負った人です。
物語の後半になって、それも少しずつ変化してくるけれど、その時にはもう滅びしか残っていない…。
ラストは物悲しい。それも、自分では何一つ決断の余地が無かった人生を反映して、どこか空虚な哀しさ。哀しさ、というより虚しさ、かな。
上手く言葉に出来ませんが、そんな思いを抱かせる印象的な最期でした。
『春風のあげく』
とある藩の武士が野望を叶えるべく奮闘した顛末を描く。
これは架空の物語。
全て上手くいっていた前半と、主人公の行動が全て空回りしてやがて破滅していく後半との対照が絶妙。
最後のオチもかなり皮肉っぽい。全編を通してブラックユーモアが効いている作品です。
『正雪と弟子』
由比正雪の事件に創作を交えた物語。
正雪のことは殆ど知らないんですが、この話はよく出来ているなぁと感心しきりです。
「春風~」同様、周りを手玉にとっていた正雪が破滅するところまでは同じですが、その正雪を利用して成功を手に入れる弟子がいい。ここも二人が対照的に描かれています。
この弟子がまた紀伊国屋文左衛門となっているところが上手い。
『すずしい夏』
飢饉に襲われたある藩の顛末。
これも架空の話。
飢饉の描写とそれを隠そうとする藩の役人たちの実態が描かれていて、ぞっとするところのある作品。
どうなっちゃうの、と思っていたら最後にこれまた皮肉の効いたオチがついて決着します。
『はんぱもの維新』
幕府の役人・小栗上野介の視点から幕末動乱期を描く。
この小説の中では一二を争う秀作だと思います。
小栗は最後の幕府における傑物と言われていますが、キャラがとにかくいい。
先進的で先の先まで見据えている小栗からしたら、慶喜も長州も、薩摩も、その他殆どの人間が近いところしか見えていない「はんぱもの」。
誰に媚びることもなく、自分の主張を持っていて、でもどことなく冷めているような、斜に構えているような。
しょっちゅう役を降ろされたり、登用されたりするけれど、そういうことに対してこだわりもしない。
その言動が嫌味だったり、鼻につくようなことがないのは淡々した文章のためなのか、どうなのか。
小栗に不思議な魅力を感じてなりません。
スクウェア・エニックス
発売日:2010-09-22
家康に仕える戦国きっての無双、本多忠勝が戦いの中で何のために戦うのかを自分自身に問う物語。
…て感じのあらすじで宜しいでしょうか?
何しろ前後編しかなく、ひたすら戦闘場面の続く漫画なので、何と説明したらいいか迷ってしまいます。
題名の「ヴァルハラ」とは西方浄土のこと。
漫画の中では、全ての武士は生きてヴァルハラに到達することを目指しているという設定です。
…なんですが。
何かこの設定が話の全体像をぼかしてしまっている感が否めない。
最後まで読んで、「で?」っていう感想を持ってしまいました。
シンプルに天下統一とか、領地争いの中で、忠勝がどう生きるべきかで葛藤するような内容で良かったんじゃないのかな。(そのためには普段の忠勝が出てこないと駄目ですね)
家康との絡みが殆どないのも淋しいかな。
ごくざっくりと考えると、武士が功名を挙げたいと望む気持ちを、武薫やヴァルハラの存在に仮託して表現しているということなんだろうけれども、ちょっと解りづらかったですね…。
絵はやや劇画タッチですが、戦国の世の勢いや武士の荒々しさなんかにすごくマッチしていて良かったと思います。
合戦シーンに迫力あります。
特に忠勝は非常にカッコイイので、忠勝がお好きな方にはいいと思いますよ。
個人的に、家康がイケメンなのが衝撃的でした(笑
だってだいたい皆狸に描くじゃない!(家康の年齢関係なく)
若い頃がジャニーズ系の童顔なのはまだあれだけど、関ヶ原の場面でもイケメンですよ!三成の方がむしろおっさんなんだよ!
作画が韓国の方なんですが、そのせいですかね?以前中国では家康が人気あるって確か新聞で読んだような気がしますし…。
私は全然家康がイケメンでもオッケーです(笑
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非公開
自己紹介:
時代小説や大河ドラマ、歌舞伎を始めとする古典芸能が大好きです。
特に好きなのは江戸辺りで、歌舞伎小説にハマってます。
漫画も大好きで、声優方面にもぬるく手を出してたり…。
本館にて観劇日記メインの雑記ブログやってます。
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※小説以外の歌舞伎の話題もコチラ
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